メモ帳(2012)

出合った書籍や人の言葉から、気になったセンテンスを抜書きしたメモ帳です



私の立脚点:中曽根康弘(2012年12月7日)
 私の立脚点は歴史と伝統。物事を検証する上での客観性や比較考証はは重要な点だが、政策決定の際の価値判断においては、民族の歩んできた歴史や培われてきた伝統、文化などが基盤となる。主観に溺れることなく、客観に流されることなく、常に歴史を見据え、民族性を点検し、世界を見回しながら国の進路の間違いなきよう最善の注意を払ってきた。


守るべきもの(賢者に学ぶ): 適菜 修(哲学者)(2012年9月7日)
 作家の三島由紀夫は一番重要なものは国土ではないという。それでは何を守るのか?
三島は「日本というものの特質で、それを失えば、日本が日本でなくなるというもの」であるという。
それは「日本精神」などといった抽象的なものではない。あくまでも現実世界に存在するものだ。
 例えば、わが国の「美」は概念化を拒絶する。「個別から普遍へと向かわず、むしろ普遍から個別に向かって方法論を作らず体験的にのみ探求を重ね」るような精神。われわれが守らなければいけないのは、こうした日本の伝統であり美意識である。美術、文芸、料理、そして歌舞伎、狂言、能、文楽といった芸能にそれは具体的な型として現れている。

近代化社会の功罪を知り大きなショックを受けた:中森千尋・茅葺き職人(2012年7月14日)
 過剰な生産と執拗な広告、生活と労働の乖離、音楽と美術の情報化、公共圏の喪失と私的空間の増大。そして歴史の終焉。

アップルの優位性は(島野製作所・CPU検査用ピンの製造メーカ):2012年5月29日
 日本の技術力は誇れるものだが、アイディアやビジョンの面で目標としているもの、考えていることが全く異なる。そこから差がつくのではないか。

ヒト(司馬遼太郎):2012年5月2日産経新聞
  • ヒトは無人の曠野にうまれず、その民族やその国家、社会、さらにはその文化のなかいうまれてくるのである。
  • さらにいえば、その歴史のなかにうまれてくるのであって、どうやらカエルやハマグリのような”自由”をもたないものらしい。
  • もっとも、それらの生物もまたその社会にうまれてくる。ただかれらはヒトとちがい、歴史のなかにはうまれて来ないのである。

言葉と思考力について(木村貴志):2012年4月14日産経新聞
  • 「考える」ということは確かに広範な深い知的活動であるが、「なぜ?を問い続けること」と「他と較べること」の二つをまずは身につけて欲しいと考えている。「較べること」には二つポイントがある。時間軸で過去や未来のできごとと較べること、空間軸で諸外国などと較べることだ。
  • 書くためにはフレームワークを教えることが必要だ。三つの柱で論理を組み立てること。それぞれの柱を補強する具体例を挙げること。結論を一言で言えること等々、文章とは「組み立てられたものだ」ということが理解できれば、それと裏表の関係にある「読解」の力も飛躍的に伸びる。
  • 話す言葉には、論理と感情が同時に流れている。原稿を読んだり暗記すれば、論理性はあっても感情の流れは死ぬ。そこには真実のコミュニケーションは存在しない。

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